ねぇ












闇に染まったこの心を










貴方は光で包んでくれますか










優しさ











ココハドコ




ドウシテダレモイナイノ





ヒトリハイヤ







コワイ





コワイコワイ







ダレカ






ワタシヲタスケテ・・・・・・







「蘭っ・・・」



目を開けるとそこには心配そうなお兄ちゃんの顔



「蘭、大丈夫か」
「・・・・・・お兄ちゃん」
「お前かなりうなされてたぞ」



うなされてた?
ああ、だから額や背中が汗で濡れて気持ち悪いんだ



お兄ちゃんが心配そうな顔で私を見てる




そんな目で私を見ないで







心配してもらえる資格なんて私には無いんだから






アクラムの下で怨霊を操り、多くの人たちを苦しめた





私は悪くないってお兄ちゃん達は言うけど





違う!!





悪いのは私






孤独に耐え切れなかった私の弱い心の所為







己の罪を忘れるなと



いつも夢を見る









闇の中の孤独の夢を





「蘭、本当に大丈夫か」



訝しげに訊いてくるお兄ちゃんに




「大丈夫だから心配しないで」




笑顔でそう答える








気づかれちゃいけない






私の中の闇に






もう誰も傷つけたくないから






「じゃあ俺はそろそろ帰るから」


私の笑顔に安心したのかお兄ちゃんがそう言った





その言葉にどこか安心する私がいる




こんなにも優しいお兄ちゃんなのに、素直に心を開けない



一緒にいると私の弱さが浮彫りになるような気がして、それが辛いから



「じゃあまた来るから」



そう言って私に背を向けて歩き出すお兄ちゃん






ごめんなさい






声には出さず謝る






その時不意にお兄ちゃんが振り返った



「あっ、そうだ」

「っ!?」



お兄ちゃんは私の動揺に気づいた様子は無く、私はホッと胸をなでおろす


「コレ、土産。渡すの忘れてたぜ」


お兄ちゃんが取り出したのは薄い紫の可愛い布にリボンを使って包まれた手のひらサイズの物だった



「詩紋の奴がお前に渡してくれってさ」


そう言って手のひらに乗せられた包みからはどこか甘い匂いがする



「し・・・もん・・・・・・?」


どこかで聞いたことがあるような名前だが、思い出すことができない


私の疑問を理解したのか


「ああ、詩紋ってのは俺のダチだよ。俺達と一緒にこっちに飛ばされてきて八葉の一人だ」



そう説明してくれた





「詩紋がお前のためにって作ったんだ。ちゃんと食べろよ」



お兄ちゃんはそう言うと今度こそ帰っていった







そっとリボンをはずし包みを開く
途端に広がる甘く優しい香り
まるで私を包みこむように


包みから出てきたのはパウンドケーキ


そっと手を伸ばし、恐る恐る口に運ぶ





口に入れたケーキは、とても懐かしく温かい味がして









私の中で堪えていた何かが崩れた








「うっ・・・」




どうしてだろう



涙がとまらない






孤独も




不安も





全てを心に押し込めて





堪えていたのに






優しすぎるこの味は





まるで氷を溶かすように






私の心を溶かしていく






ねぇ





貴方もこのお菓子のように優しいの?






貴方なら私の心をわかってくれるの?









「・・・逢いたい・・・」












まだ見ぬ貴方の優しさに











私は光を見つけた









END