「恭弥さんは甘えん坊ですね」

満開の桜の下。
いきなり花見をする、とイーピンを庭の東屋に連れ出したものの
樹の下に着くなり倒れこむように彼女の太ももに頭を預けた雲雀に
彼女は優しく彼の頭を撫でてあげながら、くすくす笑ってそう言った。

「これは桜クラ病といって、全く迷惑な病気で甘えているわけじゃない」

むすっ、と雲雀は眉間にしわを刻む。

「でもあれは、恭弥さんが悪かったでしょう?」

みんなと仲良くお花見しようとしないから。
出来ないのを知っていて微笑みながら言うイーピンに
彼は眉間のしわをさらに深くする。

「そんな風にしてると、怖い顔になっちゃいますよ」

彼女はその細くきれいな指で彼の眉間に触れる。

(こうなると分かっているなら、わざわざここでお花見しなくていいのに…)

くすり、とイーピンは笑ってしまう。
雲雀の四季に対する風流なこだわりは知っているが、ここまで来ると
意地っ張りが子どもっぽくて、ひどく可愛らしい。

東屋には薄紅の花弁がひらひらと舞い降りる。

彼にも、彼女にも。

艶やかで、それでいて柔らかな雲雀の黒髪が薄紅を纏う。

「恭弥さん、髪に花びらが…」

丁寧にイーピンは彼の髪についているそれを取っていく。
ぼんやりとそれを見ていた雲雀が彼女の髪に触れながら口を開く。

「君もついてる」

どこに、と彼女が尋ねる間も無く
雲雀は彼女の三つ編みを引く。

彼女の桜色の唇に、彼の唇がふわりと触れる。

一瞬を永遠に感じるような錯覚…―――

「…うそつき」

頬を周りの薄紅より少し濃い色に染めてそう言った彼女に
彼は三つ編みを掴んでいた手を開いて見せた。

そこには薄紅の花弁がひとひら。

少し怒ったようにイーピンが眉をしかめると

「そんな風にしてると、怖い顔になるよ」

得意気に雲雀はそう言って
もう一度、彼女の三つ編みを引いた。

――― 薄紅の君に酔う ―――










END
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ゆきちゃんの所からフリー小説強奪してきた♪
ホント愛してるぜブラザー☆
やっぱり雲雀さんには桜が似合いますよねvvv
佐保ゆき様のブログへはこちらから『虹色模様』