遠き地から君を想う



「イタリアに行くよ」


そう言って君の前を去ってから何年経っただろう
君はその言葉にただ「そうですか」と答えただけで、
でもその瞳はわずかに揺れていた


きっと賢い君は分かっていたんだろう

僕があの草食動物の守護者に選ばれたその時から


イタリアには僕の好きな闘いが待っている

僕が僕らしくいられる闘いが




それを知っていたから「行かないで」なんて君が言えるハズもなく、
けれど幼かった君に「一緒に行くかい」とも訊けなかった

君は笑顔で僕を見送ってくれたけど、その目が赤かった事に僕は気づいてる



君への想いはあの頃よりも更に強くなって
僕の心を占めているけど

君に伝えることは無いだろう


君が幸せでいてくれることが僕の幸せ







イーピン、君は今幸せかい







END