13.素直





「おっさん、リタっちのこと好きよ」

いつものように発せられるその言葉。 それこそ毎日のように言われている言葉だ。

だけど違うのはその声がいつものようにふざけたものじゃなく、真剣なものであるということ。 そして、あたしがおっさんの腕の中にいるということ。

「リタっちは?」

ありえない速さで心臓がドクドクと動く。 混乱しそうになる頭をなんとか振り絞って言葉を紡ごうとするけど。 言葉は形にならず、喉に詰まる。

ああ、こういう時何と言ったらいいんだっけ。 いつもならすぐに答えを出してくれる頭も今はまともに動いてくれない。 今まで読んだ何百、何千という本にはこういう時どうしたらいいかなんて載ってなかった。 どうしたらいい? こういう時、あたしはただの子供でしかないのだと思い知らされる。

いつものあたしなら、きっとおっさんに容赦なく制裁を下してる。 ふざけるなと、へらへらと笑ってる顔に鉄拳の一発でも見舞ってるというのに。 なのに、何故体が動かない? 抱きしめられた体がまるで金縛りにでもあったかのように動くことを拒んでいる。

わからない。 まるで自分が自分じゃなくなったような感覚。 これが恋というものなのか。



「リタ」

いつもとは違う真面目な呼び方。 こうやって呼ばれるのは初めてで、顔をゆっくりと上げれば、真剣な瞳が真っ直ぐにあたしを見据えていて。 見慣れてるはずのその顔は、でもあたしの知ってるおっさんじゃないみたい。 胸の鼓動が一層速まる。

こんなの卑怯だ。 そんな顔をされちゃ、もう逃げることなんて出来るはずもない。

恥ずかしくて、ぎゅっと瞳を閉じる。 そして




「あたしも………好き」




小さく、小さく呟いた。






(今くらいはこの心に素直になって)




END

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レイリタ、ついに書いてしまいました……!
ヴェスペリアプレイしてないけど、この二人がたまらなく好きです(*´∀`*)
天才魔動士少女万歳!!!

それでは、読んで下さってありがとうございました。

2009.01.29