*レイリタ*



「これ、あげるっ・・・」

言葉と共に勢いよく渡された(というよりも投げつけられた)包みを受け取って
贈り主である少女の方に顔を向ければ、すでに遥か遠くに走っていて。
やがて見えなくなった小さな背と手の中の物を見比べて、どうしたもんかと頬を掻く。
手の中に収まるのはラッピングが施された小さな包み。

「えーと・・・。これ、貰っちゃっていいんよね」

誰が聞いているわけでもないのに、確認のためにと呟いてみるが当然返事はなく。
ゆっくりとリボンに手をかけて解いてみる。
ぱさりと音を立てる包み紙の赤色が、
一瞬見えた少女の顔の色を思い出させて自然と頬が弛んだ。

まさか彼女が今日という日を知っているとは思わなかったし、
知っていたとしてもこんな俺にくれるなんて考えたこともなかった。

包みの中から姿を見せのは明らかに手作りとわかるチョコレート。
そのいびつな形さえも彼女らしく感じて。
口の中で溶けたチョコは予想よりもずっと苦くて、
でも今まで食べたどんな物よりも美味しかった。










END