*レイリタ*
不意に抱きしめられてびくりと体が硬直する。
こうして抱きしめられることにはまだ慣れなくて
顔に熱が集まるのを止めることが出来ない。
照れ隠しに文句を言いそうになったけど、
でもおっさんのまとう雰囲気が
どこかいつもと違うように思えて、
その顔をのぞき込むために顔を上げようとしたら、
さらに強く抱きしめられてそれを阻まれた。
「おっさん・・・?」
「ごめん、でももう少しだけこうさせて」
触れた肌から感じるのはかすかな震え。
もしかしたらおっさんは泣いてるのかもしれない。
いつもへらへらして弱い部分を見せない
おっさんの珍しい態度に戸惑いながらも、
黙ってそのまま身を委ねる。
なにがあったのか、そんなことわからないけど、
それでもこうしていることでおっさんの支えになれるなら
それはそれで構わないと思う。
「リタっち・・・」
「うん」
「愛してる」
まるで何かを恐れるように小さく紡がれた愛の言葉に、
返事の代わりにその広い背中へ手を回した。
END