*レイリタ*
それは完全に不意打ちと呼べるもので。
「えっ……リタっち、今なんて……」
「二度は言わない」
きっぱりと言い切る強気な声はいつもの彼女と同じで、
それゆえに先ほどの言葉は間違いじゃないかと思ってしまう。
だが、こちらを見る瞳は恐ろしいほど真剣で、
彼女の言葉が嘘ではないと物語っている。
「返事はいらないわ」
突然のことに戸惑い、動揺する自分に
彼女はそう言い、少し離れた場所にいる仲間の下へと踵を返す。
徐々に小さくなる背中を見送って、完全に見えなくなると
体から力が抜けたようにその場にへたり込んでしまった。
(あーもう、やられたわ…)
年甲斐もなく顔が熱いのも、心臓がバクバクいっているのも、
全て親子ほど歳の離れた少女一人のせい。
『好きよ』
少女の唇から紡がれたたった三文字の言葉。
それが耳から離れず、しばらくは口元がにやけるのを止められそうにない。
END