*レイリタ*


こつんと背中越しの温もりに頭を寄せる。

「リタっち?どうかした?」

不思議そうに問いかけてくる彼の声には答えず、小さく首を振る。
大きくて固い手が頭を撫でる感触が心地よい。

「何か、あった?」

優しい声音に溢れそうになる涙が零れないよう、瞳を閉じる。
なんでもないと精一杯の虚勢を張って固い声で返せば 彼の口からため息が吐かれた。
そして、背中で感じていた温もりが離れていく。
嫌われただろうか。
でも、弱音を吐いてしまえば、あたしがあたしじゃなくなる気がして。
ぐっと唇を噛み締める。

「リタっちはさぁ…」

声と共に身体が彼の温もりに包まれる。
後ろから回された腕で壊れ物のように抱きしめられた。
鼻孔を擽るのは彼の香り。

「もう少しおっさんに甘えてもいいと思うよ。 というか甘えてちょうだい。じゃないとおっさん寂しいでしょ」

耳元で囁かれた優しい言葉がじんわりと胸に沁みこんでいく。
閉じた瞳から一粒の雫がぽろりと零れた。







END