*ヒバピン*


「イーピン」

名前を呼ばれ、振り返ろうとしたけど それより早く後ろからぎゅっと抱きしめられて。

「雲雀さん?」

名前を呼んでも返事はない。
ただ回された腕の力が少し強まった気がする。

「えーと、どうかしたんですか?」
「……別に」

どこか拗ねたような口調で返された。
それをどこか可愛いと思うのはいけないことだろうか。
思わず口元が綻ぶ。

「何、笑ってるの」

どうやら気づかれたらしい。
さらに拗ねたような口調に愛しさが込み上げる。

10歳も年上で、最強の守護者とまで謳われている恋人。
彼のこんな子供っぽい姿を見られるのは自分だけ。
それはとても幸せなことだから。

「雲雀さん」
「何」
「大好きです」
「そんなこと、知ってる」

この幸せを一秒でも長く感じるために 私は今日もあなたへ愛を紡ぐんです。





END