*ヒバピン*
彼女の動きに合わせて踊る長い黒髪
纏められているそれを
そっと手に取りキスを落とせば
恥ずかしそうに頬を朱に染める
「いきなり何するんですか!?」
「別にいいでしょ」
「ダメですよ!こ、こんな廊下の真ん中で…」
だんだんと声が小さくなっていく
確かに周囲の視線を感じるけど
そんなのたいした問題じゃない
むしろ彼女は自分のモノだと
手を出すヤツは咬み殺すと
はっきりと示すいい機会
そんな顔で迫られても迫力なんてものは無くて
それどころか少し潤んだ瞳で見上げてくるから
「誘ってる?」
「誘ってません!」
一瞬で真っ赤になった顔
もう知りません!、そう言って
一人でスタスタと歩いていった彼女の後姿に
思わず笑いが出る
「本当に面白いね」
口元に笑みを浮かべ
彼女の進んだ方向に足を進めた
END