最初で最後の贈り物
「コレあげる」
そう言って差し出されたのは手のひらサイズの小さな箱。
ピンク色のレースのリボンがあまりにも雲雀さんには不釣合いで、思わず固まってしまった。
「いらないの?」
「っ、いります!!」
そう言って慌てて差し出されていた箱を受け取る。
(うわぁ〜、雲雀さんからのプレゼントなんて初めてかもvvv)
付き合い始めて約1年経つが、プレゼントはおろか、デートさえまともにしたことがほとんど無い。
人と群れるのが嫌いな雲雀さん相手だから仕方がないのだけれど。
だから喜ぶなといわれても無理な話。
「開けてもいいですか?」
「好きにしなよ」
雲雀さんに許可をもらって、リボンに手を伸ばす。
緊張と期待で心臓がドキドキしてるのがはっきりとわかる。
リボンを解き、そっと箱を開けるとそこには指輪が入っていた。
ハートをモチーフにしたデザインのその指輪には見覚えがある。
以前雲雀さんの家で読んだ雑誌に載っていた物で、そのデザインに惹かれて、しばらく目を離せなかったくらいだ。
でも確かあの時雲雀さんは少し離れたところで書類を見ていたから、そんなことを知っているはずなんてないのに。
「雲雀さんコレ!!」
驚いて顔を上げると雲雀さんと目が合った。
雲雀さんはどこか満足そうな顔で私に微笑んでくれている。
とても優しいその瞳に嬉しさで視界が滲む。
「イーピン」
雲雀さんは優しい声で名前を呼んで私を抱きしめてくれる。
唇に触れた温もりが夢ではないのだと教えてくれる。
「高校を卒業したら、結婚しよう」
紡がれた言葉に私はただひたすらに頷くしか出来なかった。
END