*沖千*


「千鶴ってさ、随分変わったよね」

縁側に寝転がりながらしみじみとそう呟く総司に、 そのすぐ後ろでとりこんだばかりの洗濯物を畳んでいた千鶴は手を止め、 大きな瞳をきょとんとさせて小首を傾げる。

「いきなりどうしたんですか」
「ん?言った通りだけど?」

ますます意味がわからないという表情の千鶴に総司は目を柔らかく細めて、 穏やかに吹き抜けていく風に踊る千鶴の黒髪に手を伸ばす。

「髪だって伸びたし、凄く綺麗になった」

出逢った時はまだ子供だったのになぁ、 そう呟く総司に千鶴もくすっと笑みをこぼす。

「総司さんだって変わりましたよ」
「そう?」
「はい。……その、凄くかっこよくなりました」

うっすらと頬を染めながらもそう告げる千鶴に、 総司はすねたような口調で呟く。

「それじゃ昔はかっこよくなかったみたいだね」
「そ、そういう意味じゃっ…!」

慌てて首を横に振り否定する千鶴。
だが次の瞬間唇に触れた温もりに目を見開けば、いつのまに身を起こしたのか、 悪戯っぽい笑みを浮べる総司の顔がすぐ目の前にあって。

「うん、わかってる」
「……総司さん」

してやられた。そう思う千鶴だが、その瞳には映るのは怒りや呆れではなく。

「昔も今も、私にとって総司さんは誰よりもかっこいいです」

ふわりと微笑み告げる千鶴に、総司は嬉しそうに目を細め笑った。







END