子供の成長は早いものなんですよ、と妙に老け込んだ台詞を吐いたのは哲だったか。
その時は馬鹿らしいと相手にもしなかった言葉だった。
だけど今、すぐ隣を歩いて嬉しそうに微笑む少女に確かにその言葉は正しいのかもしれないと思わず納得してしまう。
「雲雀さん?どうかしたんですか」
「いや、別になんでも」
「そうですか?ならいいんですけど。あ、それでですね・・・」
楽しそうに他愛のない話を続けるこの少女――イーピンと再会したのは数十分前。
並盛に久しぶりに戻ってきたついでに並中に寄り、
そろそろアジトに戻ろうと門を潜った瞬間に「雲雀さんっ!?」と
驚愕と喜びが入り交じった声で名前を呼ばれ、振り返った先に彼女がいた。
こちらの顔を確認するなり大きな瞳を輝かせ臆することなく近づいてきて、
僅かに頬を赤く染めて笑みを浮かべるが、その姿に心当たりがなく眉を顰めて見返せば
その視線の意味に気づいたのかきょとんとした表情の後「イーピンですけど、覚えてませんか?」と少し不安そうに首を傾げられた。
「イーピン・・・?」
「はい」
「沢田のところの・・・」
「そうです」
告げられた名を小さく呟く。
その名前は記憶にある。
沢田綱吉の家に住んでいた幼い殺し屋がそんな名前だったはずだ。
だが「思い出してもらえたんですね」と嬉しそうに頬を緩める少女と記憶の中にある少女が同一人物だといわれても違和感がある。
少女を最後に会った時は確かランドセルを背負っていて、身長だって僕の腰ほどもなかった。
それが、今はどうだ。
長く伸びた黒髪を三つ編みに結い、見慣れた母校のブレザーを着ていて。
その顔立ちも、幼い頃とはずいぶんと違う。
けれど、今からどこに行くのかと聞かれて、特に予定はないから並盛町を見てまわるつもりだと応えると
「一緒に行ってもいいですか?」と見上げてきたその表情が記憶の中の少女の面影と重なって、
気がつけば自分らしくないことに好きにすればいいと拒絶ではなく了承の言葉を口にしていた。
並んで歩くイーピンの三つ編みが歩みにあわせてゆらゆらと揺れる。
時折見上げてくる大きな瞳と視線が合えば、ふわりと笑みを浮かべてくる。
その些細な仕草の一つ一つが会わなかった間の少女の成長を物語っている気がして、柄にもなく心がざわつく。
けれどそれは決して不快な感覚ではない。
次に会う時には、この少女はどれほど変化しているのだろう。
遠くはない未来のことを考えると次に並盛に戻ってくることが少しだけ楽しみに思えた。
次に
君
に会う時は
(君の成長が楽しみだね)
END
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☆携帯40000HIT感謝フリリク☆
燿様よりフリリク『ヒバピン』でした。
大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
シチュはお任せということでしたので今までの作品とは少し違った設定にしてみました。
ヒバピンというよりもまだ雲雀←ピンな感じですが、
ピンの成長を楽しみにしてちょくちょく会いに来るようになればいいなとか思ってみたり。
返品、修正は24時間受け付けておりますので
リクありがとうございました!
こちらは燿様のみお持ち帰り可です。
2010.01.11