ささやかな幸せ
僕に背を向け机で黙々と勉強しているイーピン。
なんでも明日ミニテストがあるらしい。
ミニテストなんて適当にやればいいと思うのだが真面目な彼女は手を抜かなくて、こうして僕が来ていても勉強を続ける。
彼女のベッドに腰掛けて本を読んでいたけどいい加減飽きてきた。
というか僕以外のものに夢中になるなんて苛々する。
だって彼女は僕のものなんだから。
持っていた本を閉じてベッドの上に投げ出すと、ゆっくりと彼女に近づき背中から抱きしめた。
彼女の腕も一緒に抱きしめれば持っていたシャーペンを机の上に落とす。
「きゃっ」
不意打ちに驚く彼女の肩に顔を寄せる。
首筋にかかる息に動揺する彼女。
直接見なくても彼女がどんな顔をしてるかなんて手を取るようにわかる。
きっと顔を真っ赤に染めて口をパクパクさせてる。
想像しただけで口元が緩む。
そうして思い付いたこと。
それを実行する。
「ひ、雲雀さん!離してくれませんか…!これじゃ勉強できないです」
「…」
「雲雀さん?」
「…」
「えっと、ひば「名前…」」
「はい?」
「名前で呼んだら離してあげるよ」
「!?」
「ねえ、どうする?」
付き合い始めてからすでにかなり経っているにも拘らず彼女は未だに僕の名前を呼ぼうとしない。
いいかげん名前で呼んでもらわないと困る。
そうじゃないといずれは彼女も雲雀になるんだから。
彼女の肩に顔を埋めたままそんなことを考える。
しばらくしても何の反応も示さない彼女に、今日は無理かなと思って「もういいよ」と言おうと口を開く。
だけどそれが声になることは無かった。
「きょ…きょうやさん…?」
聞こえるか聞こえないかの本当に小さな声。
彼女の口が紡いだ言葉が耳に届き、そっと顔を上げる。
彼女は恥ずかしさで顔を真っ赤にし、潤んだ瞳で僕を見ていた。
そんな顔、他のやつに絶対に見せないでよ。
万が一見せたりしたらたとえ誰であっても咬み殺しに行くけどね。
彼女のこんな顔を見るのは僕だけで十分だよ。
緩む口元が押さえられなくて、彼女を抱きしめる力を強めた。
彼女が呼んでくれただけでこの名前がとても価値のあるように思える。
腕の中で真っ赤になってる彼女の耳元に顔を近づけると
「ご褒美あげるよ」
そう言って彼女の真っ白なうなじに紅い花を咲かせた。
END
****************************
後書き。
へきるりさんとの篭り中に浮かんだネタ。
二人で名前呼びについて語ってたらこんなのが出来上がりました^v^
某お方のうなじ祭りに少しだけ便乗してみた(笑)
あいかわらず雲雀さんがセクハラしまくってますがそこはまぁ気にせずに…!
一応へきるりさんはお持ち帰りしてもいいです。
いらないとは思いますが^^;
では読んで下さってありがとうございました♪
2008.03.09