家に帰りつくなり強く抱きつかれて少し戸惑う。
その衝撃に軽く後ろに押されるも踏みとどまって、その小さな体を受け止めた。
「ピン?」
「・・・・・・・・・」
名前を呼んでも答えはなく、代わりにスーツを握りしめる手にぎゅっと力が込められる。
ふとスーツを握りしめているイーピンの手が微かに震えていることに気がついた。
「どうかした?」
様子のおかしい彼女になるべくキツい物言いにならないようにしながら、小さな背中を撫でてみる。
すると少し落ち着いてきたのか、顔は胸元に押しつけたまま震える声で話し始めた。
「・・・沢田さんから連絡をもらいました」
その言葉に、背中を撫でる手がぴたりと止まる。
「恭弥さんが怪我したって」
余計なことを。
心の中で沢田綱吉に対して舌打ちをする。
怪我をしたとはいっても実際には大した怪我ではなく、左腕を切っただけ。
動かすにも支障なく、わざわざ彼女に報告する必要なんてどこにもないというのに。
手が白くなるほどスーツを強く握りしめてイーピンが顔を上げる。
「心配、したんです」
帰ってきて初めて見えた大きな瞳は今にも破裂しそうなほどの涙の膜を浮かべて。
堪えるように唇をキツく噛みしめている。
「いつだって、心配してるんです」
一言一言、想いを込めて紡がれる言葉の重み。
「側にいたくてもいられないから」
真っ赤になった瞳から彼女がどれだけ心を痛めたか、これでもかというくらい伝わってくる。
「だから、あんまり無茶しないでください・・・」
最後には空気に溶けてしまいそうなほど小さな声で祈るようにそう呟いて、
堪えきれなかった涙が白い頬をこぼれ落ちた。
裏社会で生きるということがどういうことか理解していても、
まだ幼さの残る少女にとって喪失の痛みほど恐ろしいものはないのだ。
「ごめん」
流れる涙をそっと拭い、いつもよりも小さく思えるイーピンの身体を強く抱きしめる。
自分の性格を理解しているから、無茶をしないなんて約束することは出来ない。
それでもイーピンを悲しませることはなるべくならしたくない。
触れあう場所から伝わる熱が少しでも彼女を安心させればいい。
そう思いながら細い身体を抱きしめる腕に力を入れた。
温もり
が伝えるもの
END
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携帯サイト39000HITキリリクで青森2号様より『ヒバピン(シチュお任せ)』でした。
青森2号様、2ヶ月もお待たせしてしまいすみません。
しかも全然甘くないし申し訳ないですm(_W_)m
私が自由に書くとどうしても暗い話になりがちなのです。
返品・苦情はいつでも受け付けておりますので!
こちらは青森2号様のみお持ち帰り可です。
2009.12.10