*那千*


「今更だけど、本当によかったの?」
「何が?」
「これ」

透き通る海のような瞳をぱちぱちとさせて 小さく首を傾げる千尋の太陽のような金色の髪に指を絡ませれば 何を言いたいのかわかったらしく、口元が綻んだ。

「那岐、まだ気にしてたの?」
「だって千尋、気に入ってただろ。あの髪型」
「まぁそうなんだけど…」

腰よりも長かった美しい金色の髪は、今では肩の上で揺れている。
切った直後よりも伸びてはいるが、それでも昔に比べればとても短い。

「那岐のお師匠様が喜んでくれたから」

「だからいいの」と笑う千尋の笑顔が眩しくて思わず抱きしめる。
ふわりと香るのは甘い千尋の香り。

「那岐?」

腕の中でどこか照れたように名を呼ぶ千尋の さらりとした髪の感触を楽しみながら一房を軽く手に取る。

そして柔らかなその髪にそっと口付けを落とした。






END