*那千*



「那岐見て!雪だよっ!」

はらはらと舞い落ちてくる雪。
それをその手に受け止めながら千尋は楽しそうに空を見上げる。

「どうりで寒いはずだよ」

那岐は白い息を吐き出しながら呟き、同じように空を仰ぐ。

「すごーい。綺麗だね」
「寒いだけだろ」
「もーっ。せっかくのホワイトクリスマスなんだよ!」

子供のように目をキラキラと輝かせてはしゃぐ千尋に そっけなく那岐が答えれば、頬を膨らませて抗議をしてくる。
そんな千尋の頭を軽く撫でれば一瞬きょとんとした顔をして、 それからにっこりと笑った。
そうしてもう一度視線を空に戻す。

「なんかロマンチックだよね」
「そう?」
「なんて言うのかな。神様に祝福されてるみたい」

そう思わない?と少し照れたように笑いながら見つめてくる千尋に、 那岐は口を緩めて千尋の唇に軽くキスを落とし、空いている手を差し出す。

「ほら、帰るよ」
「うん」

ぎゅっと繋がれた手の温もりが心地よくて。
こんな幸せがずっと続けばいい。
そう願った。





END