月下の幸福



宝石箱をひっくり返したように藍色の空を彩る無数の星々。 それに囲まれるようにして輝く細い月はとても温かく、 全てのものを見守っているかのように思える。


その空の下、一人の少女がいた。 少女は星空の元、踊るようにくるくると回る。 その表情はとても楽しそうだった。 少女の動きに合わせて、長く編みこまれた黒髪が円を描くように動き、 白いワンピースもふわりと膨らむ。 時折上がる飛沫が足元を濡らすが、少女はそれを気にした様子もなく回り続ける。



どれくらいそうしていただろう。 少女は回るのをやめ、少し離れたところで少女を見守るように佇んでいた青年を振り返った。


「雲雀さん!」


ニコニコと呼びかける少女に雲雀と呼ばれた青年は小さく息を吐き、 ゆっくりと少女の傍へ歩み寄った。


「イーピン、楽しそうだね」
「はい!」


雲雀が言えば、イーピンと呼ばれた少女は本当に楽しそうに答えた。


「雲雀さんと海に来れて本当に嬉しいんです」


そんなイーピンに雲雀は苦笑しながら、その手を取り、歩き始める。 イーピンもそんな雲雀に応えるように繋がれた手に力を込め、その後をついて歩く。



二人でのんびりと波打ち際を歩く。 昼とは違い夜の海は人気が無く静寂に包まれていて、吹き抜ける風も涼しく心地いい。 何かを話すわけでもなく、耳に届くのは静かに響く波の音だけ。 それでも繋がれた手から伝わる互いの体温に満たされ、二人だけの時間を楽しんだ。



しばらくして、二人で砂浜に腰を下ろした。 繋がれた手はそのままに、ふたりで空を見上げる。 満天の星空の下、そっと雲雀に寄りかかるイーピン。 そんなイーピンに雲雀は優しく微笑み、優しく口付ける。 唇が離れると恥ずかしそうに、でも本当に幸せそうに微笑むイーピン。 雲雀はもう一度その唇に己の唇を重ねた。




優しく輝く月の光を浴びながら二つの影は一つになった。







END

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☆携帯サイト一周年フリリク企画☆
おねぇさまからのリクが『ヒバピンで海でお散歩』だったんですが、これでいいでしょうか?
雲雀さん昼の海のイメージが無いので夜にしてみたり…。
返品、修正は24時間受け付けてるので。
リクありがとうございました♪

こちらはるりこぱんだ様のみお持ち帰り可です。

2008.08.13