「弟くーん」
自分を呼ぶよく響く声に、ため息を吐いて足を止める。
諦めにも似た表情で振り返れば、予想通りにこにこと笑顔で近づいてくるパスカルさんが視界に映った。
「・・・・・・それ、止めてくれませんか」
「ん?」
「その呼び方ですよ」
みんなが僕を名前で呼ぶ中、パスカルさんだけは初めて会った時から「弟くん」と呼ぶ。
まるで兄さんのおまけみたいじゃないですか。
そう呟けば、パスカルさんは目をきょとんとさせた。
「そんなつもりじゃないんだけどなぁ。でも嫌ならしょうがないか」
頬に指を当て、首を傾げた彼女の口が僕の名を紡ぐ。
「ヒューバート?」
「・・・っ!」
名前を呼ばれた瞬間、顔に熱が集まったのが自分でも分かった。
心臓が自分のものとは思えないほど早く動く。
他の人たちに呼ばれる時はこんなことはないというのに。
「ん〜、なんか違うな・・・ってあれ?どったの」
「な、なんでもありませんっ」
顔赤いよ?とのぞき込んでくる彼女の顔を直視できず、ばっと顔を逸らす。
いったい僕はどうしたというのか。
ただ名前を呼ばれただけだというのに。
「そ?ならいいけどさ」
パスカルさんはそんな僕の態度を気にした風もなく、頭をかきながら「んー」だの「あー」だのと唸り始めた。
その隙にばくばくとうるさい心臓をなだめようと顔を逸らしたまま深く息を吸い込む。
何度目かの深呼吸でなんとか落ち着いてきた心臓を服の上から押さえる。
自分で言い出したことだが、名前を呼ばれるだけでこうも動揺してしまうのならばもういっそ弟君のままでいい、
そう言おうと口を開いた瞬間、一足早くパスカルさんの口からあっ、
とひらめいたような声が上がり、顔と顔の距離がぐいっと縮まる。
「ヒューくん!」
名案だとばかりにきらきらと瞳を輝かせ、間近にあるその顔に浮かぶのは嬉しそうな笑顔。
「ヒューくんでいいよねっ!よっし、きっまりー!!!ヒューくんね、ヒューくん!!!」
楽しそうに新しい呼び名を連呼するパスカルさんの表情はなぜかとても幸せそうで。
すぐ目の前にあるパスカルさんの顔に、反論さえできず
再びもの凄い早さで駆けだした心臓をどうやって静めるべきか、
真っ白な頭で考えるしかできなかった。
こんなにドキドキしたら死んでしまうかも!
END
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中途半端に終わってしまいました。
まぁ要はパスカルに名前呼ばれて照れるヒューくんが書きたかっただけです!
ただの自己満足です。
ヒュパスはもうひたすらにヒューくんがパスカルに振り回されればいいと思いますvvv
タイトルはブラザーから貰ったお題にしてみたんですが、全然タイトルと合ってないよねっていう(笑)
2010.02.07